「知って…るんだ?」


「…うん。」


―やっぱり…


すると今度は兄ちゃんが俺に質問をした。


「宏…瑠璃のこと知ってるのか?」

“瑠璃”とか呼ぶんだ。


そんな親しげなんだ。


へんな所に頭がまわる。


俺は黙って頷いた。


「あと……この写真の人…」


写真集を兄ちゃんの目線に合うように上げて指差した。


「岩崎…愛璃…さん?も,知ってるんでしょ?」


兄ちゃんは少し驚いたが


さっきよりも落ち着いた様子で


「うん。」


と答えた。