「……チッ。」
「ちょっと、絢香。舌打ちしないの。や、あれは流石にイラッとくるけどさ。」
そう言って、私をなだめようとしているのは
私、一之瀬絢香の親友、佐々木美嘉。
私と同じく非リアである。
そんな私達の目線の先には
「ねぇ〜、手、繋ご?」
「うん、いいよ。ホラ、手貸して?」
嘔吐しそうなほど甘いセリフ&甘いルックスを兼ね備えたぶりっ子女子と
その彼氏であろう 爽やか優等生が今にも手を繋ごうとしている光景だった。
ピキッと青筋が音を立てて額に浮かび上がった。
朝っぱらから何を抜かしとんじゃボケ。
私は、非リア歴=年齢の上級非リア資格を持っている。
※そんなものはありません。