あたしたち休み休みもう3日も歩いてやっと迷いの森を抜けた


「なんだかこの森の声聞こえない」


マクリが不思議そうにいう



なんだか甘い香りがする


木もさっきと違う


なんかお菓子っぽい…


「そりゃそうだろ。ここお菓子の国の森だしな。ここの植物は全部お菓子だからな。聞こえなくて当然だ」


やたら詳しいスグルに驚く


「本当だ甘いぞこれ」


ルウが率先して生えてる草ならぬお菓子を食べる


それおいしいのか…


「本当ですね。この花はグミですね」


アグルも珍しくはしゃぐ


だけど


「ミル大丈夫なの?」


1人うつむくベル


多分ルウとアグル慰めようとしたのかもね、ベルのこと


失敗みたいだけど…


「大丈夫だよベル。ミルはそんなに弱くない。それにたとえ魔力が封じ込められたとしてもミルには対抗手段がある」


ユウがミルを励ます




それにしてもなんでこの2人はミルがお菓子の国にいるとわかったんだろうか?


この3人まだ謎が多すぎる


きっと何か隠してる


あたしから聞こうとは思わないけど…


あたしは何ができるだろうか?


戦うこともできないあたしが…


「みてください。あれじゃないですか?」



ハクが指をさした先にはチョコレートのような大きいお城が見える



「久しぶりの故郷だな…」


スグルが遠い目で向こうをみる



「スグルってお菓子の国生まれなの?」


「いや。俺は捨て子だったからどこで生まれたかはわからない。ただ俺を拾ってくれたんだ。ミルのお兄さんが」



スグルの最後の言葉にみんな驚く


「え?ミルってお兄ちゃんいたの?」



「ああ。16歳差のな。それと2歳下の妹もいるぞ」






「なんで言ってくれなかったんですか?」


ハクはびっくりしながらもいった


「聞かれなかったしな。それに複雑なんだよ」



複雑ってなんなのか


それを聞きたかったけどスグルの顔を見るとなぜか言えなかった



周りがシーンとなった時


「きゃああー」


という声が遠くで聞こえた



叫び声を聞いてほっとくわけにもいかないのであたしたちはそっちに向かった