「あーあ。俺たちなにすりゃいいんだよ」


さっきとは別で、国民も誰も文句を言わなかった


やっぱフウの言った通りだったんだ…


「文句言ってもしょうがないのさー」


ミルの髪から顔をのぞかせたベルがスグルにいう


「だから出たらダメだって…」


「大丈夫なのさー。ばれない」


ミルとベルは小さな声でこそっと言い合う


「とりあえず入りましょうか」


ハクがそう言って先陣を切る


門番もいるんだけど割とすんなり入れてくれた


差別はひどいけど、警戒心はほとんどないんだな…


「女王に会いたいのですが?」


あたしが近くにいた護衛の人に言うと丁寧に迎えてくれる


「どうぞ。こちらが女王の部屋です」


「ありがとうございます」


枯れた木の扉を開けると、部屋一面に枯れた花や草、そして部屋でうずくまった緑の髪の方までかかった髪の女の子がいた



頭に花かんむりがあるんだけどやっぱりそれも枯れていた


ただ花かんむりの中で一つだけ枯れていない花があった


なんの花かわかんないんだけど…


「どなた?」


女の子は弱々しい声でこちらを向く


女の子の緑の綺麗な目は涙のせいかはれていた



「あたしは光。あなたは?」



あたしが近づくと、顔に黒い入れ墨が見えた


処女宮…乙女座のマーク


「そのマーク…」


あたしが女の子を見ながら言うと女の子は周りを見渡して


「あなたは使命人?」


「そうだよ!それと後ろにいるのはみんな仲間だよ」


女の子は申し訳なさそうな顔をして


「でもごめんなさい。私、今それができる状態じゃないの」


「なんで?」


ミルもこちらに寄ってくる


「この国が枯れてるのは私のせいなの。でも私にはなにもできなくて…分かってても止められないの」


「でもどうして枯れてるんだ?」

スグルがわけわからないとでもいうように顔をしかめながらこちらに来る


「それは…」


女の子は口ごもる


「すみません…もう帰ってもらえませんか?」


「…分かった」


突然強い口調でこう言われたものだから怖気付いてつい言ってしまった