「なにこれ…」


思わず声に出してしまう


目の前に広がっていたのは枯れた草、木、花


草の国の城下町にくる途中まで綺麗に咲いた花はなんだったのか


あたしたちが驚きでとまっていると


「お前たち自分の花を見せろ」


門番の男らしき人がよくわからない質問をしてきた


花といえば冠の花しかないし、あたしたちはみんなでそれを指した


「不吉だな…」


チッっと舌打ちしながらかすれた声でいう


みんなは聞き取れなかったのかキョトンとしている


「まあいいはいれ」


なんかこの人感じ悪い…


そんなこんなではいれたわけだけど、周りが枯れているせいか住民も生き生きしていない気がする


それにあたしたちが歩いていると周りの人がまるで汚いものを見るような目でこちらを見る


さっきの門番の人と同じだ


さっきのは聞き間違えじゃなかったんだ


「僕たちそんなに目立つのでしょうか?」


ハクがそういうと

「そう?普通じゃない」


「慣れれば平気だよ」

「別にこれくらい普通だろ」


と少しずれてる三人


やっぱり変だってば


「あっお城ありますよ」


ハクが少しでも明るくしようと頑張ってるみたい


でもお城の壁にはってるツタとか咲いてる花とか全部枯れてる


あたしたちが城に近づくと

「それ以上近づくなよ」

「え?」


あからさまに聞こえたその声に辺りを見渡す


「不吉よね」


「あんな人たち城に入る資格ないわ」

なんて声があっちこっちで聞こえる


「あたしたち何もしてないってば!」


つい声を荒げてしまう


「へーお嬢さんいい度胸じゃねーか。下民は黙ってろ」

あたしの一言で周りに人がどんどん集まってくる


やがて武器を持った人も現れて


「ちっこうなったら戦うしか…」

さりげなくスグルがミルをかばう


どうしよ


あたしのせいで…


そう思っていると


「あーごめんなさい。それ俺の連れだわ」


少し小さめの男の子がそういう


頭には大きめの帽子をかぶっていた


「そう…ならまとめてやってやろうか?」


「それはごめんだね。お姉さんたちついてきてくれる?」


「わかった」


突然現れて信用できるってわけではないけど、今はこれしかないし

意を決っしてあたしたちは男の子について行く


「お前ら無事保護したぞ」


「了解!」


どこからともなくそういう声が聞こえてあたしたちを囲ってた人の体をツルがはう


「ほら。こっち」


手でチョイチョイと手招きをしてあたしたちを案内した