すっかり日は沈み辺りは暗くなっていた


なんかさっきは楽しかったけど、夜の森ってなんか怖いな…



こんなの始めてだよ


「暗くなってきましたね」



ハクが心配そうにこちらをみる


「あたしなら大丈夫だよ」


ハクはホッとしたように肩をおろす


「今日はどこか適当なところで野宿しますか?」


ハクがつぶやく


野宿なんて漫画とかの世界くらいだと思ってた…



「うん。そうだね」


あたしがとまって前をみると、ほんのり光がともっていた


「ハク!あそこに光があるよ」


「本当ですね。行ってみましょうか」


あたしたちは走って光のもとに行った



光は家の中についてるみたいで



ハクが扉を叩き


「すみません。誰かいませんか?」


というと、扉があいた


優しそうなお婆さんが顔をのぞかせる


お婆さんはあたしたちをみると


「旅のものだね?さあお入り」


優しくニコッと笑いあたしたちを招き入れる


「ありがとうございます」


あたしたちはお礼をいい、中に入った



「さあ椅子におすわり」


お婆さんにすすめられ、あたしたちは椅子に座った


お婆さんは黙ってあたしたちに紅茶を出してくれた



「お婆さん本当にありがとうございます」


あたしがお礼をいうと


「いいんだよ。私はそれを生きがいにしているからね。それにここの森はいろんなところに繋がっているから迷う人もたくさんいるんだ」



お婆さんは優しく笑った


「そういえばあなたたちはどこに行くのかね?」


「まだ決めてないんですよ」


ハクは困ったような顔をする



「そうなのかい。だったらここはどうかね」


お婆さんはある紙を見せてくれる



髪には大きい字で“お菓子の妖精の出張訪問”と書かれている



「お菓子の妖精の出張訪問?」


ハクが何だこれというようにいう



「私は行ってないから知らないんだが、最近の旅人はこの話題で持ちきりでね。昨日きた旅人に、明日が最終日なんで行った方がいいですよって勧められててしまってね」



あたしは紙を見つめる



お菓子の妖精ってなんだろう?


やっぱり異世界だし、妖精もいたりするのかな?


なんか行きたくなってきた



「明日どうせ決まってないんだし、ここ行こうよ」


「そうですね。そうしましょうか」


明日の場所が決まった


「そりゃいい。ここへはこの家の隣の道をまっすぐ行けばつく。朝も早いことだし、もうお休み」



おばあさんにそう言われあたしは布団にはいる


お菓子の妖精……か


楽しみだな


思い返せば今日いっぱいあったな



学校でテスト返されて、家帰ったら急に異世界に飛んじゃって…



謎の男の人に会って…


かっこよかったなー


ハクにもあえたし


結局あの手紙は本物だったんだよね?


そういえばみんなどうしてるかな


あたしなにも言えなかった



帰りたいな…


一刻も早く帰る方法探さなきゃ


そう思って目を瞑ると、疲れていたのかすぐに眠りについた