夢色、虹色、涙色

「ローソンで待ってて」
そうリョウに言われて待っている。

しばらくするとリョウが店内に入ってきた。

「よっ」
右手を上げて入って来る。リョウの照れ隠し。
変わらない、一瞬で15のあの日に戻る。
そのクセを覚えている自分に驚いて、泣きたくなった。


時間は深夜1時
この街は眠らない。

「ごめんね、待たせた」
リョウが抱きついてきた。その慣れた手つきがホストなんだと思い知らされる。

「大丈夫なの?」

チラッと見たパネルにはリョウの写真が飾ってあった。No.3 湊人
人気あるんだなと思った。

「うん、平気だよ。今日家においで」
そうやって頭をポンポンした。

「あっべつに変な意味はないよ」
泣きそうな顔。

「ダメかな?」

「もうーそんな顔しないの。男の子でしょ」
まるで園児に言うように言い聞かせる。

必要な物を買ってリョウのマンションに向かった。