扉が開くとそこは先程のbarとは正反対のきらびやかな世界だった。

「いらっしゃいませ~」

席に案内された。リョウは何やら従業員と話している。
初回の説明をうける。
リョウが焼酎を片手に戻ってきた。

「お酒飲めるの?」

「人並みには飲めるよ」
リョウが焼酎を作ってくれた。

「乾杯」
まさかリョウとお酒を飲む日が来るなんて。場所はホストクラブだけど。

リョウはすぐに席を立ってしまった。
指名客じゃないから当たり前か。

それからは沢山のホストが来ては名刺を置いていった。

「湊人と同中なんでしょ?元カレなの?」

「ここだけの話、ミニスカポリスなの?湊人があんまりしつこく営業かけると逮捕しちゃうぞ~って言われるって言うからさ~
俺真面目だから、お酒持参したからね」

何それって思ったけど大笑いしてしまった。
リョウが休憩と戻ってきた。

「あと少しだから、もうちょい我慢してな?」
頑張ろーご馳走さま リョウが席を立った。

リョウを目で追う。リョウの首に腕を回して抱きついている女。頭をなでるリョウ。
テレビでしか見たことがないシャンパンコール。
あの頃からは想像すら出来ない世界。

気にしない。それがリョウの仕事だから。