「帰ろ。」


そう思って踵を返そうとしたら


"バチ"


宝先輩と目が合った。
驚いてる宝先輩。


だけどもう良いや。


って思って2階に上がった。


ちょうど上がった所で



"グイッ"



「うぇおぁ?!」


引っ張られた。後ろに。


後ろは階段。


反射的に手すりを掴んだ。

「悪い。」


声の主は勿論宝先輩。


「…大丈夫です。なんですか?」


態勢を直して向き合う。


「いや、亜梨架が下にくるなんて珍しいから。」


なんか用事があんのかって



そう言った宝先輩に何故かイライラした。