「おい!チビ!」
聞きなれた、いとしい声が聞こえる。
「うっさい!」
私は振り向いた。
「なんだよー」
そいつは満面の笑みで私を見つめた。
「っ……」
そんな顔でこっちを見ないでよ。
「それ以上縮むなよー」
私を追い抜くとそいつはそのまま教室へと入っていった。
「りーりや!よかったね。喋れて!」
友達の言葉が右から左へと流れていく。
私の目には耳にはさっきのあいつ、黒瀬成人の笑顔が、声が嫌という程こびりついていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…