もう一度辺りを見渡してみるものの、そこは変わらず真っ白が続くだけ。変わらずここには私しか居ないように見える。…それなのに、
「このままだとおまえは死ぬしかない。でも生きる方法が無い事も無い」
再度声は何処からか聞こえてきて、また同じ事を言うのだ。私が死ぬのだと。
「あ、あのっ、死ぬってどういう事ですか?私は死んでないんですか?」
「まだな。でももうじきに死ぬ」
思い切って尋ねてみると、ちゃんと返事が返ってきた。ただ、感情を見せない平坦な声色で告げられる物騒な言葉しか、そこには無い。
「じきに死ぬって…い、生きたいです!まだ死にたくない!」
「あぁ。方法は無くは無い」
「!、じゃあ、」
「そしたらおまえは人間ではなくなる。それで良いんなら」
「教え……え?」
あっさりと告げられたその言葉には、あまりにも現実味が無い。
人間じゃ、なくなる?
心の中で復唱しても、さっぱり理解がついてこない。けれど、そんな私をその声は待ってくれはしなかった。



