死神のお仕事



「あの…元人間の死神って…確か人間を捨てたって…」

「あぁ。言ったな」

「言ったなって、そんな簡単に… 」


結構サエキさんから聞く他の死神さん達の話は良い事…というか、良い所が無い気がする。

サエキさん自身もそうやって印象付けて私に興味を持たせないようにしていたようにも思うのに、それが今になって信用出来るから、なんて言い出す訳だ。そんなに都合良く私の心は切り替えられないのですがと文句を言いたい。…言えないけど。

でも魂を点滴するって、私の中にあの魂を注射するって事だよね?それをその知らない人がする訳だよね?しかもこれから、今から来るって事だよね?


「あっ、そういえばさっきの魂は何処に…?」


そういえば、もう無いよってさっきは両手を見せられてホッとしたけども、あの場で消えて無くなった訳では無いだろうと思う。だって回収し忘れたのを回収しに行った訳だし。


「? 回収した」

「そ、そうですよね、それは分かるんですけど…」

「それで袋に入れて持って帰った。必要だからな」

「…必要?」