そして、「妄想で語るな」と、言われて、私は押し黙る事になる。妄想でって…だって、それ以外に何があると言うのだ。これは妄想じゃない、想定された後の現実の話。
これ以外にあなたの話にどんな意味があったと言うのだ。
するとサエキさんは大きな溜息をついた。そして続けて私に言う。
「無理に食べなくて良い」
…と。
……は?
「つまり…私に死ねと?」
「だから違うって」
「でも無理しないと食べれませんし、無理も出来ません」
「あぁ。それが分かったからもう諦める」
「へ?」
「本当は食った方が良いんだよ、保ちが良いし魂をさっさと送れるし。でもどうしても無理っぽいからな、もう一つの方法を取る」
「…え、方法?」
そんなのあったんですか?なんて、驚きのあまりピタリと瞬きが止まってしまった。というか思考すら止まった気がする。
だってそんな方法があったなら、
「あぁ。点滴で補給する」
…もっと早く教えてくれれば良かったのにと、心から思う。



