声がしてきた方向ーー部屋の奥にあるパソコンの方へと目をやると、そこでは一人の男性がこちらに背を向ける形でパソコンのディスプレイと向き合っていて、カタカタという音がピタリと止められる。
…後ろ姿しか見えない。
でもこの人を…私は知っている。
「…死神、さん?」
確か倒れる前にも同じ事を呟いた気がする。でも、知ってる、覚えてるんだ。この人の声も、姿も、雰囲気も…いや、人じゃない、人ではない。
「あぁ、よく覚えてたな。でもーー」
ゆっくりと、時間が遅くなったような感覚だった。こちらに振り返る彼の動作をゆっくり、ゆっくりと私の目が、脳が、とらえていく。
振り返った彼はーー笑っていた。
「それは、おまえもだろ?」
その瞳は、やっぱりあの時と同じ、真っ黒で、真っ暗で…そんな瞳で私を見つめて、彼は笑っていた。
ニヤリと不敵でーーどこか楽しげな、そんな笑顔で。



