またサエキさんに呆れられてしまった。サエキさんが玄関に向かうのでついていくと、端末を扉に向けて、いつもの移動の作業に入る。あ、もう行くのかと思った所で、サエキさんが急に振り返る。
「……」
「?」
ジッと見つめてくるサエキさんは、重々しい雰囲気を漂わせている。あれ?行かないの?くらいの気持ちで首を傾げると、返ってきたのは大きな溜息。
「本当はもう、あんな所行く気無かったんだからな」
「?あ、はい。私だけで戻れば良かった所をすみません」
「そうじゃなくて。おまえさ、あそこがどんな所だか分かってねぇだろ?」
「キリヤさんの病院…ですよね?」
「あそこは、あいつの意志で出入りを禁じれるんだよ。つまり、入れないし、入ったら出られない」
「え?でもサエキさん、入ってきて…」
「あいつが許可出した瞬間な。それまでずっと入れなかったし、おまえも出れなかったはずだ。おまえ、契約書書くまで監禁されてたと思うぞ」
「え‼︎」



