縋る様に、私を見詰めるサエキさん。今私は懇願されている。生きろと。私として、私のまま、この先も生き続けろと。
「…勝手ですね」
死神になれって言ったり、人間として生きろって突き放したり。こんな私は嫌だと言ったり、どんな私でも良いって受け入れたり。でも、
「私も勝手だから、好きにしようかな」
「……」
「あなたの為じゃない、私の為に。私のやりたいように、私は生きます。だからサエキさん」
「これからはちゃんと傍に居て、ちゃんと見守って下さいね」
そう告げると、息を呑んだ彼はまん丸に見開いた瞳で私を見詰めると、
「…分かった」
一言だけ返し、俯いて、ホッと息をついた。
私が生きる、それが分かっただけで良しとでもいうように。サエキさんからあれだけ張り詰めていた感情が一切抜けたのが見て分かり、私も一緒にホッと息を吐いた。
全てが解決した。そんな心地だった。



