死神のお仕事



生きてて欲しい、俺の為に。

そんな言葉を、あなたは言う。別に死のうとなんて、今はもう思ってない。サエキさんの言葉で少し頭が冷えた。大事な事を、人を、思い出せた。それがあれば私はきっとここに戻ってこれる、その自信をもらった。

…でも、そのあなたの言葉には納得いかない。


「…私にはもう心が無いって、サエキさんが言ったのに。生きようと前を向く私じゃなきゃ意味が無いって、今言ったんじゃないですか。もうこんな私は間違いだったって」


そんな私は、生きる意味がある?
サエキさんにお願いされる、意味がある?


「私、サエキさんの為に死のうと思ったのは事実です。それが間違っているなら、もう私はあなたの心にはなれない。死神に心が無いのなら、ほとんど死神の私にはもう心が足りない。あなたの為にはならない。そう今自分で言ったはずです。なのになんで?なんで生きて欲しいの?」


サエキさんのそれは矛盾した答えだった。歯に絹着せぬ物言いはサエキらしくて、俺の為というのも本心からの言葉で間違いないのだろう。でも納得いかない。もうおまえに意味はないと告げられたに等しいはずなのに。そんな私を生かすのは、サエキさんの好む合理的とは程遠い。