死神のお仕事


両手を広げて、こっちへ来いとセナさんは言う。もうこれは、本格的に逃げられない。誤魔化しは効かない。セナさんは本気だ。

どうしようと、グズグズしてなかなか寄って来ない私に焦れた彼は、私の腕を掴むとグッと引き寄せた。強い力に逆らえず、そのまま彼の胸に飛び込む形になる。ギュッと力強く抱き締められている現実に、頭の中はパニックだった。


「大人しくしてて、エライね。いいこいいこ」


その瞬間、すうっと冷えていく身体。触れ合っている分温かくなるはずが、触れ合った場所からどんどん体温が奪われていくのだ。これは、この間セナさんにされた時と同じ。あの時は唇の冷たさに驚いて、急激な冷え方に身体がついていかなくて…


「はい。おしまい」


最後にスンスン私の匂いを嗅いで、セナさんは身体を離した。慌ててセナさんから距離を取ると、ベッドの布団を手繰り寄せて包まる。寒かった。でも、今回は冷たいと思う程では無かった。前回より大分楽だし短かった。少しにするという言葉は本当だったようだ。


「はぁ…美味しいね。魂って」

「……」