「あんた、何も知らないんだよね?この世界の事。サエキさんは教えてくれないんだよね?」
「……」
「だからってアラタに頼んだって無駄。あいつはサエキさんの狗だから。でもあんたがこの世界を知るにはその二人に頼るしかない」
「……」
セナさんが、ニヤリと笑う。
「それでいいの?」
私に囁く、悪魔の囁き…いや、死神の囁き。
「あんたはそれで、本当にいいの?」
ジッと見つめられるその瞳が、ギラリと光る。
「操られて生きてる今を、本当に生きてるってあんたは言えるの?」
「っ!」
生きるーーその言葉は、私の中でまるで波紋を描くように広がっていった。
生きる、生きる、そうだ私は生きる為にここに居る。意味の為に、生きている。
生きる事は、前を向く事。



