鋭い視線が向けられた私の手元は、まるで縫い付けられたかのようにピタリと動きを止めてしまった。動か無くなってしまったのだ。
…筋肉が、強張る。…重い。
「使えないからしまわないとね」
その言葉に誘導されるままに、私はスマートフォンを元あったポケットにしまってしまった。…でも、本当に私のこれが繋がらないとは思わない。使えないとも思わない。
だけどそうしないとどうなるか分からない、今はそんな気持ちになっていた。恐怖が私の心の根っこを掴んでいる。始めに感じた恐怖がずっと、私の事を捕らえて逃がさず、今それが段々と大きく、リアルになっていっている。
「…私に…何か、ご用ですか…?」
何だろう…何が目的なんだろう。やっぱり私を食べるつもりなのだろうか。
“良い匂い”
先程の言葉が蘇る。
「あまりにも隠されるから、どんな物かと思って」
「…何がですか?」
「有名だよ、管理の所に新しいのが来たって。 次は何に使うんだって」
「…はい?」
「一人目と違って死神にすらしてないからね。でも会ってハッキリしたよ」
するとその人は一歩、私との距離を縮める。思わず後ずさる私に一歩、また一歩と彼は近づいてきて、ジリジリと縮まってく距離に、私はついに声が出た。



