『…分かった』
「へ?」
『そっち行くから待ってて』
「え?あ…はい」
頷きながらも、うん?と、その違和感に気づいた時にはもう、すでに通話はプツリと切れた後だった。
あれ…何か変じゃなかった?
文句の一つも無いし、むしろ口数が物凄く少なかった…というか、
「…サエキさんって、あんな声だったっけ?」
電話越しだったからかもしれないけれど、なんだかいつもより高めの声だったような気がする。…まぁ、少ししか声聞こえなかったから何とも言えないけど…
「……」
…うん。でもとりあえず来てくれるって言ってるんだからね、大丈夫。うん、心配無い!
きっと機嫌が治ったのだろうと、そういう事で一旦思考を落ち着かせて、私は大人しく来た時に使った改装中のコンビニの前で待つ事にした。怒られそうな雰囲気も無かったし、これはやっぱりツイてるんじゃ?なんてお気楽な事を考えながら。
ーーが、それは間違っていた。
電気の通っていないコンビニのドアが、重そうにグググっと動き出す。
「あっ、サエキさ……ん?」



