死神のお仕事



……でも、あんな風に言われた後だからなぁ…気が重い。

いつも通りだったらきっと、すぐに掛けていたと思う。それしか方法が無いのだから、ちょっと文句言われるくらいなんて事ない。そんなのいつもの事だ。でも…でもなぁ…あー、掛けるしかないかぁ…遅くなってもまた言われるだろうし…

我ながら本当にツイてないタイミングだなと、溜息が溢れた。そうだ、私はツイていないのだった。あれだけ毎日困ってたのに、なんだか久々に感じる。死神になってからあまり困っていなかったという事か。それとも、そんな事より死神の仕事で手一杯だったという事か…うっかりしていた、私はやらかす人生を歩んでいるのを忘れていた。

だったら仕方ないと、意を決したというか、諦めが付いたというか。向き合った先のスマートフォンの画面には、サエキさんの文字。


……よし、いくか。


思い切ってタップした通話マーク。の、後に続く、呼び出し音。


……

……

……


……な、長い…


始めこそ緊張してドキドキと落ち着かなかったけれど、やっぱり徐々に変わってくるもので。


……遅い!人にはあんな風に言っておいて!