死神のお仕事



とにかく来た道を戻ろうと足を進めながら、端末の方も色々触ってみたけれど、無情にも反応は無し。ヤバイ、本当にヤバイ。

今居るここってどこなんだろう。サエキさんの家からどれぐらい離れてるのかも分からないのに、それなのに端末が使えないって事は私、このままじゃ帰れないって事だよね?


大学帰りで来たという事は、もう人通りも少なくなって来た時間帯という事で、しかも魂が現れる所というのは大体不気味な感じがして特に人が居なくなるのが早い訳で。駅がどちらかもさっぱり分からず、もう冷や汗が止まらない。

…今回の繋がったドア、改装中のコンビニだったからな…

来た時にすでに居なかった工事の人達が今居る訳が無い。道を聞こうにも聞く人すら居ないなんて…本格的な迷子である。


……でも、最終手段が無い事も無い。


ゴソゴソっとポケットに手を入れて取り出したのは、私の私物、スマートフォン。

以前ここにサエキさんから連絡があった時、もう文句を言われ無いようにと登録した番号がある。多分ここに電話すればサエキさんが出て、文句は言われるだろうけれど、それでもきっと、助けてくれる…はず。

迎えに来てまではくれなかったとしても、どこにいてどうすればいいかくらいは教えてくれる…はず。