今すぐじゃないと困るくらいに…ですか。
「……そんな急ぎの所なのに、私で良いんですか?」
「…ん?」
「あ、いや。そんなに大事な所なら、もっと確実で適切な人がいるんじゃないかなー…なんて思うんですけど」
「何?行きたくないってか」
「いや、そういう訳じゃ、」
「だったらもう今日は帰れ、邪魔だから」
「ない……へ?」
今なんて?と、思わずサエキさんの目を凝視する。そんな私にピクリとも表情を動かさず、サエキさんはしっかりハッキリ、もう一度告げた。
「行かないなら邪魔だから帰れって言ってんだよ」
…やっぱり、聞き間違いではない。
今この人は、邪魔だから帰れって言ったんだ。行かないなら私に用は無いって言ったんだ…!
「で?どうすんだよ。行くのか?行かないのか?」
「〜〜っ、いっ、行きますよ!行きます、行けば良いんでしょう!」
リビングのソファの前、テーブルの上に無造作に置かれた端末が目に入ったので荒く掻っ攫うと、手早くリストデータを探し出しドアに送信して、そのままの勢いで私はリビングを飛び出した。



