「こんな所でどうしたの?」
アラタさんは、私の手元をチラリと確認してから尋ねる。
こんな所でこんな物を持っている私…確かに、もし私がアラタさんの立場だったとしても何をするつもりか検討つきつつも、尋ねてしまっていたと思う。だって明らかに信じ難い。私一人で魂の回収に来ています、なんて。…でも、
「えっと、魂の、回収に…」
そうなのだ、それ以外に答えは無い。一人で来たんです。来させられたんです。勿論サエキさんに…!
「もしかして、サエキさんに頼まれた?」
うんうんと、全力で頷く。
「…もしかして、初めて一人で?」
更にうんうんと、全力で頷く。
するとアラタさんは驚いたように目を一回り大きくさせると、「あー…」と、視線を斜め下へ移した。
「…ごめんね。多分それ僕のせいだ。ここら辺は僕の担当だから」
「え?」
「遅くなっちゃったからあかりちゃんに指示がいっちゃったんだと思う。ごめんね…後は僕がやるからあかりちゃんは戻って良いよ」
「戻り方、分かるよね?」そう申し訳なさそうに謝りながらも私の帰りまで気にかけてくれるのを忘れ無いアラタさんは、本当に良い人だと思う。本当に出来た人だと思う。
…それなのに、私はこの人の気遣いを、優しさを、素直に受け取れない気持ちがやっぱりどこかにある…なんて。



