意を決して足を踏み出した。もうこの間のように身体が震える事も無く、視線は先で待っているであろう魂を見据える事が出来た。
“目を逸らさない”、前回の私が出来なかった事。
死神としての私だから、やるべき事で出来る事。
ーー植えられた木々が大きく根を張る、古びた公園。段々と薄暗くなって来たそこに夜の空気が流れ込む。
そしてブワッと香る、濃い香り。気配。
…ある。
赤くテカテカと光る、生々しく存在感を露わにするそれが…人間の命の元であるそれが、この先に…
「…あかりちゃん?」
突如聞こえてきたその声に、ハッと我に帰り、後ろを振り返った。そこに居たのは、
「…アラタさん」
驚いた表情で佇む、アラタさんだった。



