死神のお仕事



そうだよ、死神って何?本当に死神が居たとして、そんな事を言い出すあなたは誰?となる訳で、それって悪い奴なんじゃないの?良いイメージは無いよね?と思う訳だし…


「おまえの命の期限は20歳までだった」

「…え?」

「おまえの親が死んだあの日、本当はおまえが死ぬはずだった。おまえの寿命は生まれた時からあの日に決まっていたのに、それなのに生き延びたから、20歳までに上書きされた」

「いや…なんでそんな事、」

「俺は死神だ、だからおまえの命の期限が分かる。生まれた時から大人になれないはずのおまえは、あの日生き永らえたとしても20歳という限度を超える事は不可能だった。だから今日、結局その時がやって来た」

「…つまり、それって…」


嫌な予感がした。彼の言いたい事が分かってしまった気がする。


「あぁ。出来過ぎた交通事故は決められた運命。おまえが今日までに死ぬのは始めから決められた事だったんだ」


どんなにあがいても死ぬ運命は変えられ無い。その代わりの犠牲がどれだけあったとしても、だ。