静かな車内。

彼はいつもと一緒の顔。

聞いていいのかな?

不安と緊張感でいっぱいだ。



「あのね、今日は指輪ないんだね…」

「あ~、気づいてた?実は奥さんいるの。わかって付き合ってたんだよね?」

タバコを取り出し火をつける。

私はまさか…。と思ってたけど、最初から気づいてた。

「ここで下ろして…」

車を停めてもらった。

「私は不倫するつもりで付き合いを始めたつもりはない…。」

「けど、最初からわかってたんだよね?断ればいいのに。真面目過ぎて、遊べない。降りろよ。」

私は降りた。

車はゆっくり走り出した。

私は泣きながら歩いた。

不倫するつもりで付き合ったわけではない。

遊びの付き合いだったの?

考えてしまう。


好きだから付き合った。

いい経験だった。

涙は止まらない。

死んでしまいたい。


車線に出てしまいたい。

このあとは想像にお任せします