銀髪と呪眼と赤い外套~夢の競演特別編~

「ガーラ!!」

当然の如く、乙女が吠える。

「貴様、よくも私を謀ったな!!」

「フン」

ガーラはゆっくりと屋上に舞い降りながらせせら笑った。

「いい見世物だったぞ乙女。私のあんな芝居にまんまと騙されおって…何なら四門メグと刺し違えてくれれば、感謝の一つもしたんだけどねぇ…」

「愚弄しおって!!」

乙女がその剣を握り締め、一足飛びにガーラに斬りかかる!

しかし。

「愚かな」

ガーラは慌てる事なく自らのローブの合わせを広げる。

…ローブの中の闇。

その闇から。

「!?」

数匹の大蛇が飛び掛ってきた!

「くっ!?」

乙女は咄嗟に剣を振るい、食らいつこうとする大蛇を両断する。

…床に落ちた大蛇は、もがき苦しんだ後に煙のように消えていった。

「…流石に召喚魔法はお手の物ね…体に直接魔方陣を描いておくなんて…」

メグが舌打ちする。

ガーラの体そのものが魔方陣のようなものだ。

体内に魔力を通すだけで、自在に召喚を行使する事が出来るのだ。