銀髪と呪眼と赤い外套~夢の競演特別編~

「危ない!」

俺の声でメグと乙女が振り向く。

直後。

「!!!?」

空中の影から幾筋もの稲妻が迸る!!

稲妻は屋上に立っていたメグと乙女に直撃し。

「…やってくれるわね…」

メグは咄嗟に障壁を展開し、自分の身と乙女を守っていた。

「お…お前…」

乙女がメグの横顔を見つめる。

「『何で助けた』なんて言わないでよ?そばにいたからたまたま障壁の範囲に入っただけ。偶然よ、偶然」

メグはぶっきらぼうに言ってのける。

…乙女が微かに笑みを浮かべるのが見えた。

『ならばそういう事にしておくか』

彼女の顔にはそう書いてあった。

…それはともかく。

「『隠形』の魔術で覗き見してたのね…随分いい趣味じゃない、ガーラ・エルウィンド」

メグが虚空に向かって叫ぶ。

その声に応えるかのように。

「まさかそこの坊やが私の存在に気づくとはねぇ…」

空中に、紫の衣を纏った老婆の姿が現れた。

あれがガーラ・エルウィンド。

この学校に結界を張り、乙女を騙してメグにけしかけた魔女か…!