話に食い違いが生じる。

「…どういう事だ?ガーラはお前に呪眼を奪われたと言っていた」

「ハッ」

メグが笑う。

「大方そんな事だろうと思ったわ…乙女、あんた一杯食わされたわね」

「な…」

その言葉の意味を悟り。

「おのれ…ガーラ…」

乙女の表情が別の怒りに見る見る染まっていく。

…そうなると、メグと乙女が戦う理由は最早存在しない。

よかった…とりあえずの所、戦いは終わりか。

そう思って。

「ん…?」

俺はメグと乙女の後方の空に、何か見えたような気がした。

…恐らくそれは、肉眼では捉える事のできないものだろう。

俺の左目が、メグから移植された呪眼だったからこそ見えたのだ。

…周囲の風景に同化して、空中に陽炎のように揺らめく影。

その影から、魔力の収束する気配…。

あれはまさか…!!