ワスレナグサにこめて…




「着いた」


「ここって…っ!」



そこはショッピングモールの最上階。



「そ、展望台」



壁が全面ガラスになっていて街全体が見渡せる展望台だった。


私はガラスの壁に走り寄った。



「キレイ……」



街もクリスマスモード。


イルミネーションで飾られた家や木がキレイに光っている。



「だろ?この景色が見せたくて」



後ろからゆっくりついてきた和稀が私の隣に立つ。



今まで見たこともないくらい、幻想的な世界。


引き込まれていくのを感じる…


ねぇ、皆んな。


私はこんなふうにキラキラしていられたかな。


短い人生…


周りの輝きには負けてしまうかもしれないけど、

和稀や愛花、大好きな家族が居てくれただけで輝いていられた気がする。


楽しいこと、悲しいこと…たくさんの思い出ができた。



「ねぇ、和稀…」


「ん?」


「私ね、幸せだったよ…」


「うん」