「こんにちは。あなたが彼氏くん?」


「あ、はい」



ふふっ。


和稀がかしこまってる。



「楽しませてあげてね。でもね?」


「…?はい」



神崎さんが真剣な顔になる。



「柚ちゃんは病人だということを忘れないで?」


「はい。分かっています」


「よろしく。じゃあ2人ともいってらっしゃい」



神崎さんが食べ終わった食器を持って部屋を出て行った。



「……柚、準備できてる?」


「あ、確認するからちょっと待って…」



自分のバッグの中を見る。


ケータイ、財布。

……しおり。


うん、OK!



「バッチリです!」


「ん。じゃあ行こ」



ベッドから降りると手を握られた。


そのまま部屋を出ようとする。



「ちょ…っ!恥ずかしいって!」


「は?小さい頃はいつもやってたじゃん」


「今は小さくないでしょ!!」


「繋ぎたいんだからいーの」


「……っ!」



和稀に手をぎゅってされて何も言えなくなる。