しばらくしてから、愛花が話し始めた。



「柚ママの選んだ人なんだし、新しいお父さんもお姉ちゃんもちゃんと柚のこと大事にしてくれると思うよ!一緒に住んでたら大丈夫だって!」



愛花は、私の肩にポンッと手を置いて、ね?っという風に笑った。


そんな愛花に私も笑い返す。



「そーだね、ありがとう」


「いえいえ〜」



やっぱ愛花は大事な親友だな。


死ぬの、嫌だな……


私が死んだら愛花はきっと泣いてくれる。


私のために泣いてくれる人がいるのは嬉しいけど、でも泣かせたくはない。



「あ、そうそう、今日の夜〜……柚?」


「……え?あ、ごめん何?」


「もう!ちゃんと話聞いててよね!」


「うん、ちょっとぼーっとしてた…」


「考えすぎはダメだよ〜」


「うん、ありがと」



愛花の言う通りだ。


考えすぎはよそう。


愛花の話で一緒に笑う。


その時間を、大切に。





学校について教室に行くと、いつもよりザワザワしていた。



「どうしたの?」



1番手前にいた女の子に声をかける。



「今日の朝の時間で修学旅行の班決めするらしいよ」


「あ、もうそんな時期か!」



愛花がとてもルンルンし始めた。


今は7月で、中3生は8月中旬に2泊3日の修学旅行がある。


けっこう自由時間が多いらしいから、班のメンバーがとっても重要。


だから、皆友達とワイワイ言ってたんだな。


私も楽しみ!


……っ!


病気!


私って修学旅行行けるの……⁉︎


今朝も心臓の痛みがあったのに、2泊3日なんて……



「柚?ゆーずー?」


「え、あ、愛花。何?」