「もしかして、彼氏とか〜?笑」
「あ、はい……。彼氏、と親友です」
「あはは、赤くなっちゃってぇ」
若いっていいねぇ〜、っと神崎さんは笑っている。
もうっ!こっちは恥ずかしいんだからっ!
「じゃ、来る前に退散しようかな」
「……」
「もうっ!何か言ってよ!」
神崎さんが軽く私の肩を叩く。
「……さようなら」
「冷たっ!まぁいいや。また夕食前に来るわね」
神崎さんは最後まで笑いながら部屋を出ていった。
何か……嵐が去った気分。
本…もっかい読もうかな。
……
「柚」
「あ!和稀!」
和稀が来た。
愛花は……まだみたい。
てっきり一緒に来るものだと思ってた。
私は読んでいた本を片付ける。
その間に和稀は近くにあった丸イスに座った。

