「分からない……」



もともと花にあまり詳しくないし、分かんないや。



「それね、ワスレナグサ」


「ワスレ、ナグサ……」


「柚の大事な人にあげなよ」


「どーして?」


「ワスレナグサの花言葉は……」




……



「す、素敵!」


「でしょ〜?春の花だから季節外れでなかなかなくてさ、見つかってよかった〜」



お姉ちゃんが笑う。


大事な人、かぁ。


あ……、


しおり、1つだ……



「お姉ちゃんどうしよう」


「どしたの?」


「彼氏……にあげたいけど親友にもあげたい」


「あぁ……」



どうしよう……。


2人とも、ずっと私を支えてきてくれた大事な人なのに……



「じゃあさ、こうしたら?」



お姉ちゃんがポンっと手を叩く。



「え?」


「それは彼氏にあげてさ、親友ちゃんのほうは写真にしたら?」


「写真?」


「そ!しおりと柚が写ってる写真!」



写真、かぁ……


いいかも。