「柚、そろそろ学校行くの辛くない…?」
「……うん」
「……」
「お姉ちゃん、入院…するよ」
「そっか」
お姉ちゃんは悲しそうに微笑んだ。
「あのね、最期まで頑張って生きるよ。まだ諦めてないから」
「柚……」
そんな悲しそうな顔しないでよ……
「ねぇ!資料見よ、資料!」
私はわざと明るい声を出した。
「うん。柚に分かるの〜?」
「分かるよこれくらい!」
あははっと笑い合う。
「もう!真剣に!」
ってお姉ちゃんに笑いながら注意して資料に目を通す。
「11月3日から……か」
「すぐだね」
「……うん」
急すぎる。
あと1週間もないじゃん。
もうこの家に、
「ただいまー!」って帰ってくることはなくなるんだ……
やっぱり、寂しいな……
「友達にも言っときなよ」
「そうだね」
和稀や愛花はどう思うのだろうか。
お姉ちゃんみたいに、悲しく笑うのかな…
もう周りの人に、そんな顔させたくないよ……