ボロボロと涙が溢れてきた。
忘れたかったのにっ!
忘れていたかったのにっ……
「柚!!」
「か、ずき……」
和稀が追いかけてきてくれた。
そして、私をそっと抱きしめる。
「和稀、私達……別れよ?」
「何でそうなるんだよっ…!」
「だって、だって……っ!」
「あの話は忘れろっ」
そんなの……
「無理だよっ!!」
もう、頭にこびりついて離れない。
私も和稀を置いてく…
置いてくんだよ……?
「俺は、置いてかれるなんて思ってない。ずっと柚といる」
「無理だよっ……。私、死ぬもん……」
それなら、いっそここで別れたほうが和稀にとってもいいんじゃないの……?
「俺は、最期まで…いや、ずっとずっと柚を支えていたいんだ」
嬉しい、嬉しいよ……
でも……
「何で……何で私なの……?」
「柚…?」
「何で私なのかな……ひどいよ……」
和稀は何も言わずに私を抱きしめる。
「普通に高校生になって、結婚して…。ずっと幸せに暮らすはずっ、だったのに……」

