ワスレナグサにこめて…



「あぁ!わりぃって!」



和稀が焦ってる。


あはは、何か小さい頃に戻ったみたい。




しばらく話していると、さっき注文したドーナツが運ばれてきた。


私はすぐにいちごドーナツにかぶりつく。



「お、美味しい…っ!」



何これ何これ!


口の中でいちごの甘みがふわっと広がった。


ってことは、絶対チョコも美味しいよね…


次食べてみよっかな…



「そういやさ、何で姉貴1人?いつもの子は?」


「あぁ〜有紗(アリサ)は……」



和稀が私もすこし気になっていたことを聞いた。


里香さんは暗い表情になる。


何でだろ、有紗さんって人が何かあったのかな…



「柚ちゃん、少し暗い話になっちゃうけどいい?」


「え、あ、はい……」



和稀が

「聞いちゃいけなかったかも?」

という目で私を見る。


私は

「大丈夫だよ」

と返す。



「有紗は…今部屋にこもりっきりなの」



どうして……?とは聞けない。


里香さんのペースで話してくれるのを待つ。