「痛…っ!」
何で?何で今なの?
私は自分の胸を抑える。
「ちょっ……!どうした⁉︎」
「いた、い……」
「とりあえず、落ち着け。えーっと……何か方法ないのか⁉︎」
方法……
っ!深呼吸!
「スーハー、スーハー」
何回もしてるのに、全然治まる気配がない。
……何分経った?
すごく長いように感じる。
「ふぅ……もう大丈夫だよ」
やっと痛みが引いてきた。
「ありがとう……」
「はぁ……マジ焦った……」
そう言って和稀はヘナヘナと座り込む。
だから私も、その隣に腰を下ろした。
「俺さ、いつから柚のこと好きになったんだろな……」
「え……?」
和稀が空を見ながらふと言った。
私に話しかけてるような、独り言のような感じで。
「分からないんだよな。自然に…気づいたら大事な存在になってて」
和稀が私の目を見る。
「柚のこと…聞いても気持ちは変わらない。ってゆーか、変わるわけないんだ。ずっと隣にいたい」
「……う、ん」

