和稀は大切な存在……
もしかすると前から気づいてたのかも。
そう感じる時はあったから。
私は、和稀が好きなんだ……。
「柚…」
優しい声で呼ばれ、抱きしめられる。
「柚。言ってごらん?」
和稀の言葉が私の背中を押す。
「ウッ……、」
涙が溢れ出す。
「ゆっくりでいいから」
和稀が背中をさすってくれる。
「私、ねっ、病気、なの……」
「……」
「年も越せないかもなのっ……」
「……うん」
「だから、応えられなかったの…っ!」
「……うん」
和稀は静かに聞いてくれた。
ねぇ、どう思った?
こんな子、好きになるのやめちゃいなよ…
でも、やっぱりやめないでって思う。
もう自分の心がぐちゃぐちゃだよ……
「ウッ…、ウッ…」
「俺は……」
そこで和稀は考える素振りをする。
何て言えばいいのか、言葉を探しているのかもしれない。
いいこと?悪いこと?
ねぇ……
私は和稀の次の言葉を待つ。

