「ちょ、今は私が喋って……」
急に和稀が会話に割り込んできた。
顔が険しい和稀。
聞かれ、ちゃった……?
「柚」
「なんでも、ない……」
「嘘つけ、何でもなくないだろ。ちょっと来い」
和稀が私の手首を掴み、私を立ち上がらせる。
そして、教室を出る……って!!
「どこ行くの⁉︎HRは⁉︎」
「……」
和稀は完全に無視してどんどん歩いていく。
私も引っ張られながら急いでついていく。
バンッ!
和稀が扉を開ける。
着いた場所は屋上だった。
和稀が私の手を離す。
だんだん冬に近づいてきて、冷たい風が吹き抜ける。
でも、掴まれていた部分だけあったかい…
「入院って何のことだよ、柚」
「だから何でもないって」
つい、少し冷たく返してしまう。
和稀が俯く。
何、考えてるんだろう……
「俺の告白…断ったのもそのせい?」
「……っ!」
反論……できない。
和稀の告白はもう断ってあるの。
それなのに……
なぜか、後悔してるんだ……