「柚、ちょっと前から変だよ。私に言えない?」



病気のこと、だ……


あぁ、心配かけたくなかったのに……



「私は柚の力になりたいよ…」


「愛花……」


「無理にとは言わないけど、話してよ」



そうだね、


言ってみようかな……。


こんなに私の為に考えてくれてる。


それにいつかは言わなきゃいけないって思ってた。


何より、聞いてほしい自分がいる…



「聞いて、くれる……?」


「もちろんっ!」



私は深呼吸をして気持ちを落ち着ける。



「あのね、愛花……」


「うん」


「私、7月に余命宣告されたの……」


「え……」


「心臓、の病気でね?年を越せるかもわからない」


「そんな……っ!」



愛花は口に手を当てている。


目に涙がたまっていて、私もつられて泣きそうになる。



「だから、心臓の痛みが時々くるの。今日のことも…そう」


「……」



話終わって沈黙が広がる。


カチコチ、カチコチ……


時計の秒針の音だけが部屋に響く。


私は唇をぎゅっと噛みしめる。