勢いよく扉を開けて部屋に入り、クローゼットから服を引っ張り出す。



ピーンポーン



着替えた頃愛花がやってきた。



ガチャ



私がドアを開けると愛花が入ってきた。



「お邪魔します」


「愛花どーしたの、いきなり」


「ちょっとね」



愛花は靴をぬいで上がってきた。



「柚ママ〜?お邪魔しまーす!」


「あら、愛花ちゃん。いらっしゃい。ゆっくりしていってね」


「はーい、お気遣いなく」



愛花がリビングにいるお母さんに言って、階段を上り始めた。


私も急いであとを追う。



愛花は私の部屋のローテーブルのところに座っていた。


だから私も向かい側に座る。



「……」


「……」



何だこの沈黙は……。


愛花は私に何を聞こうとしているの?


今は下を向いている愛花。


でもやがて意を決したようで、私をしっかりと見る。



「ねぇ…柚?」


「何?」


「私ってそんなに頼りない?」



いつもの愛花らしくない、か細い声で言われた。



「え……?」


何、のことを言ってるの…?