和稀のせいか……っ!


和稀を軽く睨む。


すると和稀はノートを破って何かを書いた。


そしてその紙を周りの子に渡して……


って、え?


私に?


折りたたまれた紙を開く。


『バーカ』



「和稀!!」


「今は授業中だ。急に叫ぶな」


「……すいません」



また和稀は笑いをこらえている。



キーンコーンカーンコーン



授業終わりのチャイムが鳴る。



「ゆーずー!」



愛花が笑いながら私の席にきた。



「愛花聞いてよ!和稀が……」


「あ、だいたいは分かるから。ほんとドンマイだったね」


「ほんとだよ!とっちめてやらなきゃ!」



和稀どこだ〜?


教室を見渡す。


あれ、いない?


律君に聞いてみよ。



「律君!」


「あ、柚ちゃん」


「和稀知らない?文句言ってやるんだから!」


「和稀なら柚から逃げてくるって何処かいったよ」



律君が笑いながら答える。


呆れる……。



「ありがとね」


「どういたしまして」



あぁ、律君はいい人なのに何で和稀は…


ま、和稀らしいか。