ワスレナグサにこめて…



「ごめんなさいね。今からいける?」


「うん」



夏休みだからだろうか。


会社か家にいる人がほとんどで、人通りが少ない。


車道も比較的空いていた。




「ついたわよ」



病院に入って受付に行く。


名前を言うとすぐに通された。


2週間に1度の定期検査で、予約が取れているからかな。


心電図の検査や、レントゲンをとったりする。


少しの間待つと、看護師さんが結果らしい紙をお医者さんに渡した。


お医者さんはしばらくの間その紙を見ていた。


嫌な沈黙が流れる。



「あの……?」



お母さんがお医者さんに問いかける。



「柚さんの病気は確実に進行してきています。今は深呼吸で落ち着く程度ですが、もっと悪化すれば倒れてしまうかもしれません。そうなれば入院ですよ」



お医者さんが有無を言わさぬ顔で私を見る。



「絶対倒れませんから大丈夫です」



私はそう言い切って笑ってやった。