ワスレナグサにこめて…



「うん、まぁ」


『よかった。お母さんも仕事終わらせて帰るから。また後でね』


「はーい」




プチッ



もぅ…!


午後から予定入れてたらどうするつもりだったのさ!



「どした?」


「お母さんが午後から用事があったのを今になって連絡してきたの」


「じゃあもう帰るか」


「うん」



和稀が前を歩くから私もついていく。


和稀は今まで通り接してくれている。



「……ありがとう」


「ん?何か言ったか?」


「何でもないよ、行こ」



沈黙のまま帰る。



「……じゃあ、また9月に」


「うん、送ってくれてありがと」


「おう」



和稀は帰っていった。


心の中で「ほんとごめん」と呟く。



「ただいま〜」



家に入る。


が、お母さんはまだ帰ってきていないみたい。


テレビでも見てよ。



『この政治について○○議員は…』



ブチッ



面白くない……。



仕方なくケータイを弄る。



「ただいま〜」



お母さんだ!



「もう!午後からとか聞いてないっ!」