ワスレナグサにこめて…





しばらく泣き続けて、なんとか落ち着いてきた。



「柚?」


「ごめんなさい…。応えられません…」


「な、んで…」


「どうしても無理なのっ……!ごめん…」



心配、かけたくないから…


病気のことは言いたくない。


気を遣わずに接していてほしい。


和稀には申し訳ないけど……


このことで気まずくなるのもいやだ。



「あ、のさ。じゃあせめてものお願いがあんだけど」


「え……?」


「俺のせいで気まづくするのはやめてくんねぇ?これからも今まで通りがいいんだけど」


「……っ!もちろん!」



これこそ私の願っていたこと。


和稀も同じ気持ちだったんだ……


和稀が笑ってくれる。


断られて笑える人なんかいないのに。


それでも無理して笑ってくれている。



「ふふっ」



私もつられて笑ってしまう。



〜♪〜♪



ケータイの着信音が鳴る。



「あ、ごめん私だ」


「ん」



……


「もしもし?」


『あ、柚!』


「お母さん?どうしたの?」


『今日病院の日だったの!午後からなんだけど、大丈夫?』