私は、すごく行きたいんだけど、と申し訳なさそうに手をあわせる。
「んー、そっか。じゃあまた今度」
「うん」
アイス食べたかったなぁ……
そんな呑気なことを考えていたら、いつの間にか先生が来ていて話し始めていた。
それに気づいたその時、
ズキッ!
「うっ……!」
いきなり心臓が痛み始めた。
やっぱり2日前のことは本当なんだ。
未だに全て信じきっているという訳じゃなかったから、こうなると実感せざるを得ない。
痛みは、しばらくするとおさまってきた。
「柚、大丈夫か?朝ごはん食い過ぎたんじゃねーの?」
「和稀に心配されたくないし!それに一言余計だから!」
そう言ってから少し後悔した。
何で素直に
「ありがとう」
って言えないんだろう。
いつもちょっとしたことでも気付いてくれる和稀。
幼馴染って凄いなぁ……
でも、心配されただけなのにちょっとドキッとした。
いつもは私をからかってばかりで、嫌な奴なのに。
何で……?
「こら、そこ喋らない!」
先生が私たちを指差す。
あ、注意されちゃった。
でも私達の担任こわくないから平気。
そして、今日も普通に1日が過ぎ、放課後になった。
無理しないようにできるだけ急いで帰って、2階にある自分の部屋に行き、出かける用意をする。
「柚〜?準備できた?」
階段の下からお母さんに呼ばれる。
「うん!今行く〜!」
私は大きな声で返事をして階段を駆け下りて行った。

