ワスレナグサにこめて…



「なぁ、柚…?」



和稀が珍しく控えめな声を出す。



「何?」



和稀から話しかけてきたくせに和稀は黙ってしまった。


でも、しばらくして和稀は、

「俺のこと、どう思ってる?」

と真面目な顔で言った。



「え……と「ただいま!」」



私が言いかけると愛花と律君が帰ってきた。


正直助かったかな。


何て答えればいいのか分からなかったし……


和稀は、もういつもの和稀に戻っていた。


少し変な和稀だったけど、あまり気にしすぎないようにした。




少しして3時になったのか、パレードが始まった。


最近の映画で有名なキャラクターや、可愛い服を着たお姉さんなどが大きな乗り物に乗ってやってくる。


こっちに手を振ってくれる人もいた。


「あ、あのキャラクター知ってる!」

とかって、結局最後まで見た。


和稀と律君は暇そうだったけどね。



「皆そろそろ集合場所戻ろ?」


「え?もう戻る時間なの?」


「柚は話聞いてなかったかな知らないか」



愛花が軽く睨んでくる。


遊園地、楽しみだったんだからしょうがないじゃん。